学習性無力感とオペラント条件付け脱却からの教育論
自身で対処することのできない数多くの経験をすることによって、行動への動機づけを失い。行動をまったくしなくなってしまうことを「学習性無力感」といい、セリグマンが提唱した。セリグマンは犬の電気ショックの実験でこれを示している。
また、 生得的な行動のことではなく、自発的な行動のことをオペラント行動という。このオペラント行動の結果の直後に報酬刺激や嫌悪刺激を与えることで、オペラント行動の生起頻度を操作することを「オペラント条件付け」という。スキナーはスキナー箱による鳩のキューをつつく実験でこれを示した。
このオペラント行動に基づく理論で、 教育は行われてきた。 いや、今でも行われていると言って良い。 そして、そこには平均点や偏差値という尺度で、 子どもを測り、オペラント条件付けするとともに、 早期に勉強嫌いになった子ども達は、 学習性無力感を味わうことになった。 この方法には、すでに限界がきている。 それは、何度も何度も議論されてきたが、 未だに続いている。
伊藤穣一は、随分前から、 クリエイティブ・ラーニングについて言及している。 それは、4つのPを基礎とする学び方である。 Project Peers Passion Play の4つである。
Project プロジェクトをこさえて、みんなで創る。
Peers 学び合い、教え合う。
Passion 楽しんで、盛り上がる。
Play 遊ぶ。 一方的な講義、正解のある問いに応える。
何の文脈もなく、ひたすら暗記したり、計算することで学びは加速しない。
意味を感じないからである。
しかし、
解の無い問いに向かって、
みんなで目標を共有して、グループをつくって目指して、
互いの多様な意見を出し合って、目標に向かって歓喜する、
そして、遊ぶように楽しむ。
どちらが学びを加速するかは議論を待たない。
Joは、「クリエィティビィには遊びが必要だ」と述べている、
そして、「カオス(混沌)の中にこそ、新たなものを見いだせる」と断言している。
これは正しいと思われる。
学びを変革し、加速せよ。
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