人間関係というモチベーション
昔、旅行業界で働く人たちのモチベーションについて調査したデータを見たことがある。かなり昔の資料だから、もう今は変わってしまったかもしれないが、その時は「人間関係」がダントツでトップだった。お客様はサラリーマンや主婦から経営者、芸能人そしてお子様からおじいちゃんおばあちゃんまで、老若男女ありとあらゆる方が対象である。そりゃあ、人間好きな人には刺激的である。また、そういう人間好きが働く業界だから働く人たちもなかなかの個性派揃いなのだ。だから、働くまわりの人たちもモチベーションになっていたようだ。仕事もアナログ中心だったしね。
しかし、時代は変わった。インターネットやゲームで育った世代になり、業界もオンライントラベルエージェントが隆盛を極めている。場合によっては、一度も会わずに、いやいや、一度も話しをしないで旅行商品の契約が締結してしまうケースさえある。僕のような古い人間はどうしても違和感を覚えてしまう。おふくろが八百屋さんと丁々発止の会話を交わし、楽しそうに買い物していたことを思い出す。そのとき、おふくろも八百屋さんも目に見えない関係性を楽しみ獲得している。つまり、野菜と一緒にある種の人間関係というモチベーションを購入しているようなのだ。人間が関わりあうことで互いが強化される、そんなことが生活に潤いを与え、主観的幸福感を高めているような気がしてならない。
今日、バーベキューをしながら底抜けの笑顔で語り合うみんなを見ていて、こんなことを思い出していた。
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