「論理療法」アルバート・エリスを読んでみた

 認知情動行動理論の第一人者、アルバート・エリスの考え方は論理的かつ科学的である。また、そのアイディアはストア派の哲学者エピクテイトスや一般意味論を受け継ぐものだろう。
 より良く生きるための理論が満載されているので、一度では書きつくせない。例えば興味深い一説を引用してみたい。

アルバート・エリス(1981)は以下のように、述べる。

「何かが上手にやれるようになったからといってそれを根拠として自分を評価すると、迷路に踏みこんでしまうということです。ことがうまくいかなかったりすると、こんどは自分を低く評価することになってしまいます。ですから、仕事がりっぱにできるから自分が気に入っている、というのではなくて、なるべく、りっぱに仕事をするように努力する生き方が好きだ。と考えることに、どこまでもこだわって欲しいのです。(「論理療法」アルバートエリス1981 p51ー52)

 我々は比較したり評価するのが大好きである、その比較の対象も他人であったり、自分自身であったりする。結果が良かったと言っては喜び、悪かったと言っては落ち込み自分が好きなだけふり幅を大きく設計している。感情が悪いというのではない、良いことも悪いこともありのままの自分として受け止めることは大切であり、その感情も受け入れなければならない。しかし、その感情を悪いままにとどめるのは「自分の思考」である。結果が悪くても「努力する生き方」その方向性を認めるならば、次に向かう勇気もわいてくる。もし、評価するならばそれは「結果」ではなくて、「結果に向かい努力している生き方の方向性」なのである。この重要性は「今という時間を大切に生きる」ということにもつながるように思うのだが、どうだろうか。



ShonanManabiya

Since2005 「湘南学び舎」鎌倉を世界で一番読書の盛んな街にする /Yasutoshi. Furuhashi

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